2002年8月26日
報道資料

日本電信電話株式会社
エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社


無線ICタグ対応技術開発のため
MIT オートIDセンタに参加


 日本電信電話株式会社(以下、NTT、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:和田紀夫)とエヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社(以下、NTTコムウェア、本社:東京都港区、代表取締役社長:松尾勇二)は、無線ICタグ(*1)の研究開発と標準化を進めている米国MIT(マサチューセッツ工科大学) オートIDセンタに新たに参加しました。オートIDセンタは、物流などの効率化のため、バーコードの次世代版として、ネットワークと連動する超低価格の無線ICタグの研究開発を進めています。NTTとNTTコムウェアの両社は技術的優位性からオートIDセンタが提唱する無線ICタグが将来標準として普及する有力な候補であるととらえています。今後、NTTは無線ICタグに対応するネットワーク側機能の研究開発を、NTTコムウェアは無線ICタグに関するノウハウ蓄積と関連システム開発を目指し、それぞれの立場で実証実験を視野にいれた研究開発に取り組みます。

【MITオートIDセンタとは】
 MIT オートIDセンタでは、バーコードの次世代版として、個別の識別番号(ID)のみを持つ非常に小さな無線ICタグをあらゆる製品に貼り付け、流通の各段階で読み取りと管理を行って物流を飛躍的に効率化することを目標とし、研究開発と標準化を行っています。同センタは、1999年に設立され、米国・欧州におけるバーコード標準化団体、大手流通事業者、大手消費財メーカー、技術ベンダなど有力なプレイヤーの支援を受けて活動を進めています(現時点のリスト:表1)。
 無線ICタグは、バーコードと比べて、一般的に次のメリットがあります。
  人手を介さず、ある場所を通過した際に自動的な読み取りが可能
  同時に多数の一括読み取りが可能
  複製、偽造が困難である
さらに、オートIDセンタは、次のような特徴をもった無線ICタグのアーキテクチャを提唱しています。(図1
  シリアル番号を含んだコードで、製品の種類だけでなく個別の物品の管理が可能
  無線ICタグにはコードのみを記録し製品の情報はネットワーク上のデータベースを参照するアーキテクチャにより、タグの超低コスト化と製品情報の柔軟な管理を実現
  <1>無線ICタグのコード体系、 <2>製品データベース記述言語、 <3>コードから製品データベースを参照する仕組み、の三つの標準化により、多くの事業者が共通に無線ICタグを使用可能。

これらの特徴により、オートIDセンタ型の無線ICタグを個々の製品に貼り付けて物流の各段階で読み取れば、製品の流れを完全に把握、管理することが極めて低コストで可能になります。そのため、在庫管理の最適化、製品紛失の最小化など、物流の効率化に大きく貢献でき、その利益は無線ICタグ導入のコストを十分まかなえるものと想定されています。
(オートIDセンタの詳細情報は、http://www.autoidcenter.org/ で得ることができます。)

【参加の目的】
NTTグループは、21世紀の情報流通サービスの主要な柱として、ユビキタスサービス(*2)の実現を掲げ、研究開発を進めてまいりました。いつでもどこでも様々な情報流通サービスを利用できる環境を実現するには、あらゆる物の位置、種類、機能などの情報をコンピュータが自動的に認識し、ネットワークと連動してサービスを提供することが重要な要素となります。そのため、ユビキタスサービスにおいて無線ICタグが、物流に限らず、あらゆる物の情報を取得する入り口として重要な機能を担うものと考えます。

NTTは、オートIDセンタへの参加を通じて、無線ICタグの情報を管理・利用するためのネットワーク側機能を中心に研究開発を進めます。研究開発テーマの例としては、各種のサービスで無線ICタグを読み取るためのリーダネットワーク、読み取った後のネットワークを利用した情報アクセスにおける、セキュリティ確保・プライバシー保護の機能、関連する情報を検索する機能、極めて多数の物に無線ICタグが付いた際に安定してサービスを提供するための大規模分散データベースなどがあります。これらの研究開発を通じて、将来あらゆる物に無線ICタグが付き、様々なサービスが利用される際の、オートID型無線ICタグの情報を管理するサーバーや、データベースなどのインフラ運用事業、およびプラットフォーム提供事業などをNTTグループが担うことを目指します。

NTTコムウェアは、システムインテグレーターとしてサプライチェーンマネジメント(SCM)システム(*3)はもちろん、各種企業内システムの開発経験・実績を有します。MITオートIDセンタの協力の下、日本での無線ICタグによる実証実験で、ネットワークを通じコンピュータで管理される情報と、流通する実際の物品との関連付けを容易に実現するためのノウハウを蓄積します。蓄積したノウハウを用いて、効率的なSCMシステムの開発をはじめ、企業内や家庭内の物品を管理するシステムなど、物流以外の分野でもオートID型無線IC技術を適用したさまざまなシステムを開発し、あらゆる物品にIDが付くユビキタスな社会の実現に向けてSI事業などの展開を目指します。

 今後、両社は、それぞれの強みを活かしてオートIDセンタの活動に積極的に関与するとともに、自社においてオートID型無線ICタグを利用した研究開発を推進します。さらに、オートIDセンタの他のスポンサ企業とも協力し、今年度中に日本国内での実証実験を行うことを目指します。

【用語の説明】
(*1)無線ICタグ
 ICチップにIDを記録し、電波で読み出しを行う小さなタグ。RFIDタグとも呼ばれます。非接触でデータの読み出しが可能。電波で交信するため、汚れ、ほこり等の影響を受けず、小型化しやすく、小さな取り付けスペースにも対応可能です。アンテナ側からの非接触電力伝送により動作するため電源が不要で、繰り返し使用によりランニングコストも安価です。

(*2)ユビキタスサービス
「ユビキタス」とは、ラテン語の「遍在」すなわちどこにでも存在することを意味します。情報処理、情報通信の分野でも、ユビキタスコンピューティング、ユビキタスネットワークなどどこでも利用できるという意味をこめて使われています。NTTは21世紀の情報流通サービスにおいて、光ソフトサービスとユビキタスサービスを2本柱として掲げています。ユビキタスサービスは、人だけでなく、さまざまな機器がネットワークに接続され、相互に連携することで、いつでもどこでも安心・安全・便利・快適なサービスが享受できるものです。

(*3)サプライチェーンマネジメントシステム(SCM:Supply Chain Management)
 企業活動の管理手法の1つで、取引先との間の受発注、資材の調達から在庫管理、製品の配送まで、いわば企業活動の川上から川下までをコンピュータを使って総合的に管理することで余分な在庫や事務処理などを削減し、コストを引き下げる効果があります。



表1.AUTO-ID センタ スポンサー 一覧
図1.AUTO-IDセンタの提唱する無線ICタグの仕組み




【本件に関するお問い合わせ先】

NTT第三部門R&Dビジョン担当
大和 淳司
03-5205-5393
e-mail: j.yamato@hco.ntt.co.jp
NTTコムウェア 広報室
高橋 和浩
03-5463-5779
e-mail: kouhou@nttcom.co.jp



News Release Mark
NTT NEWS RELEASE