News Release

2003年9月30日


情報視覚化技術を利用した
最新情報提供システム『HotWindow』を開発
―ネットワーク世界の“今”を切り取る“最新情報窓”を提供―


 日本電信電話株式会社(以下NTT、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:和田紀夫)は、NTTサイバーソリューション研究所(以下、SL研)の超高速Web収集・分類技術(※1)と情報視覚化技術を基盤とした最新情報提供システム『HotWindow』を開発しました。
 今回新たに開発した『HotWindow』は、ネットワーク世界で続々と生み出される最新のWebページから抽出・分類した語彙と、利用者の興味や関心を表現した語彙とを、カテゴリ窓というGUI(※2)上に重畳表示(※3)するとともに、関連するネットワークコンテンツへとシームレスに利用者を導くブラウザとして機能します。これにより、ネットワーク世界の最新情報と、多くの利用者の興味・関心が重畳された「話題性」を表現することが可能となります。『HotWindow』は、この「話題性」によって、利用者の好奇心を喚起する、世界初の「最新情報窓」のコンセプトを実現します。(別紙
 ニュースサイトを始めとして様々な専門分野で情報発信するサイトが増加する中、一般利用者にとっては、掲示板における最新話題の把握や、間断なく更新され続けるネットオークションの出品動向と利用者ニーズの迅速な把握が可能となるなど、今回のシステムには様々な用途が考えられます。また、企業にとっては、最新の商品やサービスに対するニーズの偏りやずれがタイムリーに視覚化できることから、マーケティングツールとして利用することができます。さらに、例えば、Webサイト運営者や広告提供者は、露出度の高い情報(広告)とするためのキーワードを把握するための分析ツールとして応用することにより、効果的な情報(広告)展開が図れるようになるなど、幅広い分野での適用が期待されます。
 この『HotWindow』は、SL研実験サービスサイト『サイバートライアル』(http://www.cyber-trial.com/)(※4)にて10月1日より、約6ヶ月間提供し、ご試用いただいた皆さまの声を集約し、実環境における技術の有効性や信頼性を検証するとともに、新たなサービスの基盤となる研究開発に反映していきます。


1.開発の背景
 現在、インターネットの利用者は増加の一途を辿り、日本国内だけでも5,500万人、ブロードバンドユーザは1,100万人を突破しました(2003年6月現在)。テレビやラジオなどのマスメディア主流の時代には単なる情報の受け手であった人々が、ネットワーク世界では情報の発信源となり、新たに発信される情報量も飛躍的に増加しています。このような状況下、情報がそれを必要としている人々にタイムリーに届かないといったこともおこっています。
 今回提供する『HotWindow』は、利用者が『HotWindow』のGUIを眺めているだけで、常に最新の情報に出会うことを可能とし、情報発信者と利用者をタイムリーに出会わせる“窓”として、時代の最先端の情報を提供します。


2.技術のポイント
 『HotWindow』は、ネットワークの“今”を効率よく切り取るために以下の2つの技術を用いています。

(1) 最新情報獲得のための鮮度反映型特徴語彙抽出技術
   超高速Web収集・分類技術により高速に収集・分類された最新Webページの情報から、複数ジャンルカテゴリ間での語彙の出現頻度や時間的な出現推移を計算することにより、的確にカテゴリを特徴付けかつ最新の語彙を自動的に抜き出すことができる鮮度反映型特徴語彙抽出技術を開発しました。これにより、ネットワーク世界で生み出される最新情報を表す語彙をきわめて短い周期(15分〜1時間以内)で収集・分類することが可能となりました。

(2) 利用者検索入力語からの話題語彙抽出技術
   最近の数時間以内に入力された検索入力語を短時間で集計する高速ランキング生成技術と、ランキングの時間変化を分析して急速に高まる利用者ニーズを表す語彙を抽出する急上昇語彙検出技術からなり、これら2つの技術を組み合わせることにより、利用者検索入力語の中から今話題となっている語彙を自動的に検出する話題語彙抽出技術を開発しました。これにより、‘今’利用者がどのような情報を欲しているのかをクローズアップさせることができます。

 また、このようにして収集された最新情報と利用者のニーズを視覚化するGUI技術として以下の2つの技術を用いています。

(3) 世の中の動きへの「気付き」を支援する“最新情報窓”インタフェース技術
   ネットワーク世界で生み出される話題性のある語彙を、パソコンの画面上にカテゴリごとに分類した小さな円形のウィンドウ(カテゴリ窓)を配置し、それぞれのカテゴリでどのような語彙が生み出されているかを常に監視することを可能としました。さらにカテゴリ窓には、利用者が検索エンジンに入力した検索入力語も重畳させ、利用者の関心の高さに応じて文字の大きさを変えて表示させます。また、ネットワーク世界の情報のライフサイクルは、数時間単位で移り変わるものから数日、あるいはもっと長いものまで様々なライフサイクルを伴って現れてきます。最新の情報を表示するだけでは、情報の移り変わりはわかり難いものです。そこで、最新情報を表す語彙の移り変わりを分かり易く表示する連続再現インタフェースにより、数時間過去の状態から最新の状態まで何時でもプレイバックさせることを可能とする“最新情報窓”インタフェース技術を開発しました。
 これにより、最新情報や利用者のニーズをタイムリーに分かり易く表示し、利用者の「気付き」を効果的に支援します。

(4) フォーカス+コンテクスト(※5)を実現するバブルアップインタフェース技術
   最新情報に対する素朴な「気付き」から「情報収集」に利用者を導くためには、不必要な操作をできるだけ減らして短時間かつ簡単に情報収集ができるインタフェース技術が必要です。通常のWebページのGUIをそのまま利用すると、ジャンルカテゴリの詳細情報表示の度にページ切り替えが発生してしまい、全カテゴリの概観を損ねてしまうばかりでなく、ページを戻る操作や新たに開いたウィンドウを閉じる操作が頻繁に発生するなど、多くの操作が必要となります。これを解決するため、詳細情報表示の際のページ切り替えを無くし、「気付き」の機会を損なう事無く、全ジャンルの一覧性を保持したままで詳細情報の閲覧を可能とするバブルアップインタフェース技術を開発しました。
 さらに、カテゴリ情報窓中に表示された最新情報語あるいは利用者検索語をワンクリックするだけで、関連するWebコンテンツへ利用者を導くことができます。
 これにより、最新情報に触れ「これは、何だろう!!」と思った瞬間を逃さず、利用者を瞬時に関連コンテンツに導くことが可能となります。


3.『サイバートライアル』のご利用方法
 ご利用にあたっては、『サイバートライアル』のトップページから「利用者登録」を行うことでどなたでもご利用いただけます。また、『HotWindow』のご利用に必要なシステム環境および手順などの詳細につきましては、トライアルサイト上の『HotWindow』ご利用方法(http://www.cyber-trial.com/hotwindow/index.html)をご覧ください。


4.今後の展開
 NTTでは、『HotWindow』の本格提供に向け、更なる研究開発を行ってまいります。さらに、増加の一途を辿るネットワーク情報を、より広く収集し、より便利でより楽しくご利用いただけるサービスの基盤となる研究開発を進め、NTTグループ各社と連携し、それらの技術を盛り込んだ新たなサービスの実現に取り組んでいきます。


[用語解説]
(※1)  超高速Web収集・分類技術
  大量のWebサーバから高速にWebページを収集し、高速かつ高効率に検索インデクスを生成する技術(新鮮検索技術 : http://www.ntt.co.jp/news/news02/0212/021203.html)。
(※2)  GUI(グラフィカルユーザインタフェースの略)
  コンピューター画面上にプログラムからの出力を図式的に表現するインタフェース。
(※3)  重畳表示
  2種類以上の複数の情報を視覚的に重ね合わせて表示するGUI表現。
(※4)  サイバートライアル
  SL研が、2003年5月より提供している、実験サービスサイト。
(※5)  フォーカス+コンテクスト
  GUI上で、概要から詳細情報へと表示を切り替える際、ページ切り替えやズームインを実行すると、概要情報が失われてしまいます。これに対し、フォーカス+コンテクストは、概要をある程度維持したままで詳細表示を実現する、インタフェース設計方針のことをいいます。



(別紙) HotWindow のしくみ




<お問い合わせ先>
日本電信電話株式会社
サイバーコミュニケーション総合研究所
企画部広報担当 落合・山下
Tel:046-859-2032
E-mail:ckoho@lab.ntt.co.jp


NTT ニュースリリース

Copyright(c) 2003 日本電信電話株式会社