ページの先頭です。
コンテンツエリアはここからです。

NTT持株会社ニュースリリース

2020年3月25日

日本電信電話株式会社

大規模住民コホートデータを活用した国立大学法人東京大学との介護予防に資する共同研究の開始
−ロコモティブシンドロームとその他の介護原因疾患の関係性の解明と介護につながる影響因子の特定等について−

 日本電信電話株式会社(東京都千代田区、社長:澤田純、以下「NTT」)と東京大学医学部附属病院(東京都文京区、病院長:瀬戸泰之、以下「東大病院」)は、2020年4月1日から3年間にわたり東大病院22世紀医療センターに設置する社会連携講座※1「ロコモ予防学」において、東大病院の保持する大規模コホートデータとNTTのデータ分析技術を基に、ロコモティブシンドローム※2の予防のための影響因子の解明、および生活習慣病・認知症などの介護原因疾患との関係性の解明、介護につながる影響因子の特定、効果的な介護予防・介入方法の検討、およびその社会実装に向けた共同研究を開始します。

背景

 超高齢化社会に突入した日本において、社会保障制度の持続可能性を確保するための給付と負担の見直し等とあわせて、「健康寿命の延伸」や「医療・介護サービスの生産性の向上」など、患者・高齢者、そしてサポートする方々に寄り添った対策が求められています。特に、介護を必要とする高齢者は年々増加しており、要介護者及びその家族のQOL向上は大きな社会課題となっています。これらの課題に対して様々な対処が検討・実施されていますが、介護に至る原因・過程は様々であり、画一的な対処によって介護を予防することは難しいと考えられています。このような背景から、東大病院では介護予防の方策を検討するため、2005年から運動器(骨、関節、筋肉など)をターゲットとした世界最大規模となる住民コホート研究ROAD(Research on Osteoarthritis/osteoporosis Against Disability)を開始※3しています。
 本共同研究では、東大病院がこれまでROADプロジェクトで蓄積してきた一般住民の方々の各種検査データや生活習慣等の問診データと、NTTの情報解析技術をかけ合わせることによって、疾患の変遷や生活習慣から介護に至るリスク因子を明らかにし、個人に適した介護の予防法を提供することを目的とします。また、それらを個人にフィードバックし介入することで行動変容を促し、介護リスクの低下につなげ、高齢者がいつまでも自分の足で歩ける幸せな生活の実現に貢献したいと考えています。

共同研究における役割

 本共同研究の中心である東大病院所属の吉村典子特任教授は、高齢者が運動器疾患により要介護状態となる要因やリスクを把握するためには分野横断的に疫学データを収集することが重要であると考え、2005年より世界最大規模の住民コホート研究ROADを開始しています。ROADプロジェクトでは、分析したコホートデータから得た知見を一般化して将来的に日本全体の介護リスク低減に寄与することを目的に、山間・漁村・都市という環境の異なる地域に在住している約4400名を対象に追跡調査を実施しています。このプロジェクトでは個人の運動・食事等の生活習慣項目はもとより、現病歴・既往歴・職業歴等の情報、並びに骨や関節のレントゲン画像、骨密度、MRIによる脳・脊椎画像、血液尿検査、認知機能検査等の検査データを収集しています。研究を通じて、これまでに要介護の発生率や、ロコモティブシンドローム(ロコモ)の頻度、変形性関節症・骨粗鬆症の発生率、およびこれらの疾患とMCI(軽度認知障害)やメタボリックシンドロームとの発生の相互関係※4について報告してきました。このような研究実績を活かし、東大病院は匿名化された大量の疫学データと疾病の状態・変遷に関する医学的知見を提供します。
 NTTは、これまで健診データや診療データを用いて生活習慣病の発症リスクや重症化の予測を実現するなど、医療・健康分野におけるデータ分析技術を蓄積してきました。健診や診療においては定期的なデータ取得が困難な場合が存在し、分析を阻害する要因の一つとなっていましたが、そのような欠損のあるデータにおいても、高精度な分析・予測を実施可能な技術をNTTは保持しています。ROADプロジェクトにおいては、一度の検査で大量の情報を取得しますが、長年にわたり個人のデータを取得するコホート研究の性質上、途中でプロジェクトから離脱される方や検査を毎回受けることができずに間隔をあけて参加される方も一定数いらっしゃいます。本共同研究においては、プロジェクトで取得した大量の個人の検査・生活習慣データの分析を実施することはもちろん、連続して検査を受診できなかった方々の貴重なデータもNTTの分析技術によって活用します。
 このように、疫学データや医学的な知見をもつ東大病院とデータ分析技術を保有するNTTが共同研究を通じて、これまで知られていなかった疾患の関係性を解明するとともに、介護に至るリスク因子の特定、さらには介護予防・介入方法を確立し、日本全体の介護リスクの低減に向けて貢献したいと考えております。

  • ※1社会連携講座は、東京大学が学術と社会の発展の推進および同大学における教育研究の進展・充実を図ることを目的とし、企業との契約に基づいた共同研究経費によって運営され、従来からある寄付講座とは異なる形態の講座です。
  • ※2ロコモティブシンドロームとは、骨や関節、筋肉、神経などの運動器の障害のために移動機能の低下をきたし、進行すると介護が必要になるリスクが高い状態をいいます。
  • ※3世界初 変形性関節症の大規模臨床研究プロジェクトROADの開始 〜ROAD(Research on Osteoarthritis Against Disability)〜(2006年6月5日 東京大学 ニュースリリース)
    https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/press/p01_180605.html 
  • ※4ロコモティブシンドローム、メタボリックシンドローム、軽度認知障害の発生に対する相互関係(吉村典子特任教授 ROADスタディより)

本件に関するお問い合わせ先

日本電信電話株式会社

広報室
TEL:03-5205-5550

ニュースリリースに記載している情報は、発表日時点のものです。現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。

NTT持株会社ニュースリリースインデックスへ