標準化活動 – ITU-Tの概要とSG12の活動 –

1.ITU-Tの概要

1.4.文書

ITU-Tで取り扱われる文書は、勧告、寄書、テンポラリ文書、レポートに分類されます。

(1)勧告(Recommendation)

各SGのミッションは、担当技術領域において、電気通信サービスを提供する際に必要と考えられる勧告(Recommendation)を策定することです。勧告はその技術領域毎に英語のレターが割り当てられています。例えば、Pシリーズは「Telephone transmission quality、 telephone installations、 local line networks」であり、音声品質主観評価法を規定する勧告P.800「Methods for subjective determination of transmission quality」、映像品質主観評価法を規定する勧告P.910「Subjective video quality assessment methods for multimedia applications」、オーディオビジュアル品質主観評価法を規定する勧告P.911「Subjective audiovisual quality assessment methods for multimedia applications」などが標準化されています。

勧告には、本文以外に、AnnexやAppendixといった属性があります。Annexは勧告の一部とみなされますが、Appendixは参考情報であり、勧告とはみなされません。また、Supplementという文書もありますが、これも参考情報として取り扱われます。Appendixは特定勧告に対する参考情報であるのに対して、Supplementは勧告シリーズ全体に対する参考情報と位置づけられています。この他にも軽微な修正を行うためのCorrigendumやAmendmentなどの分類があります。

(2)寄書(Contribution)

ITU-Tにおける審議の原則は"Contribution Driven"であり、ITU-Tの会員から正式に提出される寄与文書(または単に「寄書」と呼ぶ)により提案ベースで審議されます。提案があっても、寄書が提出されなければ原則審議に取り上げられません。ITUに寄書を提出するためには事前に国内審議があります。寄書は、単なる情報提供という位置づけもあり得ますが、原則は勧告化に向けた提案事項を含めることが求められます。同じ技術文書であっても学術論文とは主旨が異なります。

(3)テンポラリ文書(TD: Temporary Document)

会合期間中に発行される一時的な文書のことを指します。寄書が会員機関であれば誰でも提出できるのに対して、TDは原則、会合運営に携わる立場の人(議長、副議長、ラポータ、事務局など)のみが発行できる文書です。TDには、各課題の審議状況を報告するレポート(Status report)、他組織/機関との連携のための情報交換文書であるリエゾン文書(Liaison statement)、勧告の草案(Draft Recommendation)などの文書があります。

(4)レポート(Report)

SGやWPレベルのレポートは、会議中にTDとして発行されるだけでなく、会合後には公式文書として発行されます。