音声品質評価法

3.音声品質の主観評価法

3.5.等価Q値換算法

等価Q値換算は、評価対象音声の品質と同等であるMNRU (Modulated Noise Reference Unit) のQ値を測定する方法です。MNRUとは音声信号の振幅に比例して雑音を付加するシステムであり、ITU-T勧告P.810として標準化されています。図にMNRUの概念図を示します。このときの音声信号と付加雑音の比(SNR: Signal-to-Noise Ratio)をQ値と呼び、その単位は[dB]で標記されます。つまり、Q値が大きいほど付加する雑音の割合が小さいため品質は良く、逆にQ値が小さいほど品質は悪いといえます。

(図3.5.1)MNRUの概念図

(図3.5.1)MNRUの概念図

以下に、MNRU条件を利用した等価Q値換算法の概念を示します。実験において評価対象音声に加え、Q値の異なるMNRU条件を複数含めておきます。始めに、実験で得られたMNRU条件のQ値とMOS値との関係を求めます。そして、この関係に基づき、評価対象音声のMOS値と同等のMOS値を有するQ値を求めます。これを「オピニオン等価Q値」と呼びます。

絶対評価値であるMOSは実験の枠組みの影響を受けやすく異なる実験間の相互比較が困難であることが指摘されています。しかし、MNRU音声と評価対象音声の品質の相対的な関係は保持されることから、異なる実験においてそれぞれオピニオン等価Q値に換算することにより、実験の枠組みの違いによる評価値の変動を吸収でき、品質評価値の相互比較を可能とします。

(図3.5.2)オピニオン等価Q値の算出方法

(図3.5.2)オピニオン等価Q値の算出方法