音声品質評価法

4.音声品質の客観評価法

4.5.ハイブリッドモデル

これまでに説明してきました4つのモデルが持つ利点を活かし、複数のモデルを組み合わせたものをハイブリッドモデルと呼びます。

たとえば、no-reference型のメディアレイヤモデル(受信側の音声信号のみを用いた品質推定方法)では、音声歪みのような受聴品質要因を正確に捉えることができる一方で、遅延のようなインタラクティブ性を捉えることができません。そこで、パケットレイヤモデルにより得られる品質情報を加味することにより、より正確な品質推定の実現が検討されています。

現在ITU-TのSG12では、会話品質を推定するハイブリッドモデルであるP.CQO-L(Objective Conversational Voice Quality Assessment Model - limited scope)の標準化が進められています。

これは、

  • 会話における受聴品質(音声歪み、雑音などの影響を受けた相手の音声に対して受聴者が感じる品質)
  • 送話品質(エコーなどの影響を受けた自分の音声に対して発話者が感じる品質)
  • 相互品質(遅延などの影響を受けた互いの会話のやりとりに対して感じる品質)

の3つの品質値を組み合わせて、会話品質を推定するモデルとして検討が進められています。