音声品質評価法

5.音声品質評価特性

5.2.パケット損失

IP電話において圧縮された音声データはパケットに格納され、このパケットがIPネットワークを介して伝送されます。しかし、パケットが途中で損失した場合、受話側にすべての音声データが伝送されずに音声品質が劣化します。E-modelでは損失したパケットの割合(パケット損失率)をパラメータとして用いており、Ppl (Random packet-loss probability) [%]で表されます。音声符号化方式には、データが損失した場合においても、その前後の音声データから損失部分を補間処理 (PLC: Packet Loss Concealment)するものも存在します。すなわち、同じパケット損失率であったとしても、音声品質の劣化の度合いは異なります。そのためE-modelでは、音声符号化方式に対して、Ieに加えパケット損失耐性を示すパラメータとしてBpl(Packet-loss robustness factor)が設定されています。Bplが大きいほどパケット損失に対する耐性が高く、パケット損失率増加による品質劣化が小さいことを示しています。この値もITU-T勧告G.113に記載されています。

図5.2.1では、各音声符号化方式のパケット損失率PplとR値との関係を示しています。G.711のようにPLCを有さない符号化はパケット損失耐性が低く、パケット損失が発生すると大きく品質が低下します。

(図5.2.1)パケット損失時の各符号化方式におけるR値の変化

(図5.2.1)パケット損失時の各符号化方式におけるR値の変化

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