映像品質評価法

1.映像品質の主観評価法

1.2.映像品質劣化の知覚

次に、各種品質要因がどのような映像品質劣化としてユーザに知覚されるかについて述べます。

従来のテレビ放送等のアナログ映像では、品質劣化の発生は定常的であり、徐々に品質が低下したのに対して、デジタル映像では、品質劣化は空間的・時間的に非定常に発生し、一旦乱れ(破綻)、途切れ、停止等の異常が発生すると、極端な劣化が起こるのが特徴です。表1.2.1に示すように、映像通信サービスの品質を劣化させる要因は、空間的ひずみと時間的ひずみに大別されます。空間的ひずみは画質や画面解像度の低下を引き起こすものであり、モザイク状に発生する歪(ブロック歪)の発生が代表的・特徴的な品質劣化です。また、時間的ひずみはフレームレートの低下やフリーズが代表例であり、映像の動きの滑らかさが失われ、ギクシャクして見えるのが特徴的な品質劣化です。さらに、映像の乱れ(破綻)など、時空間的に発生するひずみも存在します。

表1.2.1 代表的な映像品質劣化
歪の種類 劣化の見え方 符号化
劣化
伝送
劣化
空間的
ひずみ
解像度低下・ぼけ 細かい模様や輪郭がぼけ、精細度が低下  
ブロック歪 モザイク・幾何学パターンの歪
偽輪郭 明るさや色が緩やかに変化する部分に生じる偽の輪郭  
時間的
ひずみ
ジャーキネス 動きの滑らさが失われ、ギクシャクして見える
フリッカ 輝度レベルが変動し、ちらついて見える  
動きぼけ 動いている領域がぼけて見える  
途切れ/フリーズ 再生が途切れる/画面が停止する  
時空間的
ひずみ
モスキートノイズ エッジや色の変化の激しい部分で起こるノイズ
(蚊が飛び回るように見えるノイズ)
 
エッジビジネス エッジ部分がザラザラして、ちらついて見える  
乱れ(破綻) 画面の一部または全体的に原形を留めない程の歪