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映像品質評価法

1.映像品質の主観評価法

1.5.代表的な主観評価法

(6) SSCQE法 (Single Stimulus Continuous Quality Evaluation)

デジタル映像は、コンテンツに依存して品質劣化が時間変動します。このため、多くの映像シーンを用いて評価を行うことが求められますが、DSCQS法などを用いて多くの映像の品質評価を実施するためには、膨大な時間が必要となります。また、お客様が家庭で映像を観視する場合のように、基準映像が存在しない場合の評価法を規定することが求められてきました。ITU-R勧告BT.500-11で規定されるSSCQE法は、基準映像を用いずに、連続的に主観品質を評価する方法であり、評価者は映像を観ながらスライダ(評点記録装置)を動かして評価を行います。なお、スライダには以下の要件が求められます。

  • スライダにバネが用いられていないこと
  • 机に固定されていること
  • 評価スライドの範囲は10cm以内であること
  • 0.5秒ごとに1つの評価値を記録すること

SSCQE法を用いた評価の流れを図1.5.7に示します。1つの評価映像(プログラムセグメント:PS)は、ニュース、ドラマ、スポーツ等の番組から選定され、1番組に1つの評価条件(品質パラメータ:QP、帯域等)を与えて評価者に提示されます。PSの時間長は5分以上とします。テストセッション(TS)は、1つ以上のPSとQPのランダムな組み合わせから成り、各TSに全てのPS条件およびQP条件を含むように計画します(PSとQPの全ての組み合わせを含む必要はありません)。TSの時間長は30〜60分とされています。試験全体(テストプレゼンテーション:TP)でPSとQPの全ての組み合わせを含むように設計します。

図1.5.7 SSCQE評価の流れ
図1.5.7 SSCQE評価の流れ

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SSCQE法により得られた評点の時系列データを評価者の平均品質を取ることによって、番組毎、品質パラメータ毎、テストセッション毎の品質の時間変動を見ることができます。しかし、安定した評価結果を得るためには、評価値入力のための十分な事前訓練が必要であったり、品質判定の遅延時間が評価者毎に異なるため、得られた評価値を適切に補正することが必要です。高精度な品質評価を実現するためにはいくつか課題が残されています。