映像品質評価法

2.映像品質の客観評価法

2.2.従来の客観評価尺度

アナログ映像の品質を表す客観評価尺度に、ピーク信号対雑音比「PSNR(Peak Signal to Noise Ratio)」があります。PSNRは、評価基準となる映像(基準映像)がとり得る最大画素値の自乗値と、基準映像の画素値と評価対象の映像(評価映像)の画素値の差分自乗平均値をデシベルで表現した値です。動画像の品質を表現する場合は、映像フレーム毎に算出したPSNRの平均値とする場合が多く見られます。

PSNRは、アナログ映像に発生する品質劣化を捉えるQoE尺度として用いられてきました。デジタル映像の圧縮・伝送技術の高度化に伴い、画質劣化が多種多様となると共に、コンテンツの空間的・時間的な特徴により映像品質劣化の知覚のされ方が大きく変化しました。このため、QoEとPSNRの対応関係は低くなり、QoEを表す客観品質評価尺度としてPSNRを用いることは不適切であることが一般的な見解となっています。

デジタル映像の各種品質劣化の特徴量を捉えるパラメータとしては、ANSI(American National Standards Institute)規格T1.801.03などがありますが、ここで定めるパラメータもある特徴量を捉える指標に過ぎず、PSNRと同様にQoEを推測するための尺度としては十分とは言えません。