NTT情報ネットワーク総合研究所は、米国のネットワーク技術標準化団体MEFが主催する「MEF 3.0 Proof of Concept Showcase」において、NTTコミュニケーションズ株式会社、一般社団法人沖縄オープンラボラトリと共同で取り組んでまいりました「5G xHaul Sharing Slices with LSO Orchestration」が、「Network Slicing Implementation 2019 Award」を受賞いたしました。
「Network Slicing Implementation 2019 Award」は、最も優秀なネットワークスライス技術の実用化を行った事業者に贈られる賞であり、NTT情報ネットワーク総合研究所がパートナーと共同発表した「5G xHaul Sharing Slices with LSO Orchestration」において、複数事業者間でのネットワークスライスを活用した相互接続とオーケストレータ間連携による自動制御が評価されました。
本成果は、5Gのトランスポート・ネットワークとして必要となるアクセス回線(xHaul※1)をマルチレイヤSDN制御技術※2とジッター制御技術※3を用いてMFH/MMH/MBHの要件に必要な低遅延性とスライスごとのリソース分割の実現、オープンパケット転送システム(MSF※4/Beluganos※5)によるデータセンタ内のネットワークの動的な制御、異なる技術で管理されたさまざまな種別のパスを接続・監視するスライス・ゲートウェイ※6により、トランスポート・ネットワークのスライスを実現しています。また、MEF仕様※7を用いることにより、事業者を跨る環境においてもEnd-to-Endのスライス提供を実現しています。ローカル5Gなどの活用により、5G技術は通信事業者に加えて企業や自治体での利用が見込まれています。本成果を用いることで、オンデマンドで5Gのトランスポート・ネットワークを提供し、効率的にネットワークを構築することができます。
NTT情報ネットワーク総合研究所は、引き続き、5Gのトランスポート・ネットワークおよび将来のネットワーク技術に関する研究開発に取り組んでまいります。
※1 xHaulは5Gのアンテナ〜基地局・基地局〜5Gコアのトランスポート・ネットワークの総称であり、Mobile Front Haul(MFH)、Mobile Mid Haul(MMH)、Mobile Back Haul(MBH)を指す。
※2 IPネットワークと光伝送ネットワークを統合制御するSDN制御技術。IPパスだけでなく光伝送パスを提供することで、MFHの厳しい品質要件を保証。
※3 IPパケットの送出・優先制御を高精度に行うことでキャリア・ベンダごとに異なるMMHの品質要件をそれぞれ保証。
※4 multi-service-fabric(GitHub, Inc.)
※6 Gateway Function for Network Slicing [draft-homma-rtgwg-slice-gateway-01](IETF LLC)
※7 Metro Ethernet Forumにて策定されたオーケストレータ間およびオーケストレータとSDNコントローラ間の制御仕様。